人事評価の不満は、なぜ「退職」につながるのか——プロセスを無視して結果だけ突きつけない
評価の話を聞いて回っていると、「うちは人事評価に不満なんてないですよ」と言い切る会社には、ほとんど出会いません。むしろ「評価は不満が出て当たり前」くらいの空気すらある。でも、その不満を放っておくと最終的に何が起きるか。人が辞めるんですよね。
実際、パーソルキャリアのJob総研「2025年 人事評価の実態調査」では、人事評価に不満を感じた経験がある人は約7割(69.6%)。さらに、評価結果をきっかけに転職を検討した人が65.5%、そして転職を検討した人のうち51.6%が実際に転職しています。「評価への不満」は、気づかないうちに離職へとつながっている。今日はこの構造を、できるだけシンプルに書きます。
不満の正体は「プロセスを無視して、結果だけ突きつけられること」
僕は、評価への不満って、突き詰めると一つの構造に行き着くと思っています。それは——目標設定も対話もプロセスで、評価だけが結果だということ。
目標を立てる、期中にすり合わせる。これは全部プロセスです。一方で、評価は最後に出てくる結果。ここで、プロセスをすっ飛ばして結果だけを「はい、あなたはB評価です」と突きつけられたら、誰だって納得できない。「何を頑張れば良かったの?」「途中で言ってよ」となる。これが不満の正体で、不満が積もれば外に目が向く。シンプルな話なんですよね。
逆に、プロセスを一緒に歩いてきていれば、結果は「いつも言われてた通り」になる。評価がそこまで高くなくても、人は納得して受け取れる。辞める理由は「低い評価」ではなく「納得できない評価」なんです。
プロセスが空洞だと、対話を重ねても破綻する
ここでよくあるのが「じゃあ1on1で対話を増やそう」という話。対話は大事です。でも、その手前の“目標設定”が空洞だと、どれだけ対話を重ねても結果につながりません。
たとえば、期初に目標を「まあこんな感じで」となんとなく握ってしまう。すると期中にどれだけ1on1を重ねても、期末になって「あれ、この目標、達成したところで評価を上げられなくない? どうしよう」となる。上司も部下も、なんともやるせない空気になるんですよ。プロセス(目標と対話)が結果(評価)につながる設計になっていないと、こうなる。
制度を変えずに防ぐ、運用の3ステップ
特別な制度改定は要りません。やることは「プロセスと結果をつなぐ」だけです。
- ① 評価につながる目標を握る:期初に「これを達成したら、評価にどう跳ね返るか」まで言語化して合意する
- ② 期中に手応えを返す:1on1などで「今ここ」を定期的にすり合わせ、評価を期末まで持ち越さない(参考:1on1の運用)
- ③ フィードバックを日常に分散する:年1回の面談に集約せず、日々の中で小さく返す
この3つでプロセスと結果がつながり、「評価への不満」は「納得して次に進む力」に変わります。
まとめ:プロセスを無視して、結果だけ突きつけない
人事評価への不満が退職につながるのは、評価が低いからではありません。目標も対話もプロセスで、評価だけが結果。そのプロセスを無視して結果だけ突きつけるから、人は納得できずに辞めていく。本当に、それだけのことだと思います。
僕らがコレドウでつくっているのも、このプロセスと結果をつなぐ仕組みです。目標設定の段階から評価との接続を握り、期中の対話までAIが伴走して、納得感のある評価運用を回せる状態をつくる。評価を、人が辞める理由ではなく、人が育つ仕組みに変えていきたいと思っています。(プロダクトの詳細はこちら)
※この記事は「評価運用」を定着させる設計の一部です。全体像はなぜ評価制度は「作っても回らない」のかで書いています。