コレドウ
目標管理

MBOが形骸化する3つの原因と、評価運用で防ぐ方法

・曽良 竜太
MBOが形骸化する3つの原因と、評価運用で防ぐ方法

コレドウを始めてから、いろんな会社に「MBO(目標管理)、うまくいってます?」と聞いて回ってきました。多分300社は超えていると思います。そのうち「目標も評価もちゃんと回ってます」と即答できた会社は、正直、両手で数えられるくらいでした。

不思議なんですよね。みんな制度はちゃんと持っている。目標シートもある。評価面談もやっている。なのに、ほとんどの会社で「MBOが形骸化している」。冷静に考えると、おかしな話じゃないですか?

今日はその「なぜ形骸化するのか」を、僕が見てきた範囲で3つの原因に分けて書いてみます。そして、制度をいじらずに防ぐ方法も。

そもそも、MBOの「形骸化」とは何か

形骸化って、「形は残っているのに、中身が動いていない」状態のことなんですよね。目標シートは存在する。面談もやっている。でも、目標が日々の仕事の指針になっていないし、評価にも納得感がない。制度としては回っているように見えるから、逆に問題が見えづらい。ここがやっかいなところだと思っています。

原因1:目標を「立てて終わり」にしている

いちばん多いのがこれです。期初に立派な目標を立てる。でも立てた瞬間にゴールしたような気になって、あとは放置。期末になって「そういえば目標なんだったっけ」と引っ張り出してくる。目標が無くても目先の仕事は回るので、優先度がどんどん下がっていくんですよね。目標って本来、立てるイベントじゃなくて、日々のマネジメントの中で擦り合わせ続けるものだと思っています。ここがズレていると、どんなに立派な目標も飾りになります。

原因2:制度が主、マネジメントが従に逆転している

2つ目はもう少し構造的な話です。本来はマネジメントが主役で、制度は「その結果をどう評価するか」という従であるはず。なのに多くの会社では、これが逆転しています。目標も評価も「給与を決めるための、制度の作業」になっていて、マネジメントの中心から外れてしまっている。こうなると目標管理は「人事の事務」になります。普段は誰も目標を見ていないのに、評価の時期だけ引っ張り出して点数をつける。この主従の逆転、本当に多いんですよね。

原因3:運用がマネージャーの気合いに依存している

3つ目は運用負荷の問題です。目標の確認も、進捗のフォローも、振り返りも、ぜんぶマネージャーの善意と気合いに乗っかっている。しかも日本の現場はプレイングマネージャーだらけで、自分の案件を抱えながらマネジメントも兼務している。これをフルでやりきるのは、正直しんどい。だから忙しい時期から順に運用が抜け落ちて、気づけば期末だけになる。形骸化は「現場の意識が低いから」起きるんじゃなくて、「続けられない構造だから」起きる。気合いより設計の問題なんだと思っています。

防ぎ方:制度をいじるより、「日常に溶かす」

ここでありがちな間違いが、「形骸化したから制度を作り直そう」という発想です。でも項目を増やして定義を細かくするほど、現場の負荷は増えて、もっと形骸化する。箱にゴミを入れてガチャガチャ振っても、ガンダムは出てこないんですよね。複雑にすること自体が原因なのに、さらに複雑にして直そうとしている。防ぎ方はむしろ逆で、制度はそのままに、運用を日常に溶かすことだと思っています。

  • 目標を期初の一発勝負にせず、月次・週次で軽く擦り合わせる
  • 評価のためでなく、前に進めるために目標を見る習慣をつくる
  • マネージャーが続けられるよう、確認や振り返りの手間そのものを減らす

実際、これを1on1の中でやるようにしたら、評価のときに「いつも話してる内容ですもんね」で済むようになった、という話をよく聞きます。評価が「最後に点数をつけるイベント」から「日々の対話の確認」に変わるんですよね。

まとめ:MBOは「立て方」より「回し方」

MBOが形骸化する原因は、①立てて終わり ②制度とマネジメントの主従逆転 ③続けられない構造、の3つ。どれも目標の「立て方」じゃなくて「回し方=運用」の問題なんですよね。僕らがコレドウで作っているのも、まさにここです。複雑な制度と日々のマネジメントの接続をAIにやらせて、忙しいマネージャーの手間を少し肩代わりする。MBOを「やりっぱなし」で終わらせないための、運用の土台をつくっています。

でも、これはあくまで土台です。ちゃんと目標を立てて振り返る運用ができると、そこに共通言語が生まれて、文化になって、エンゲージメントが上がって、働くのがちょっと楽しくなる。僕が本当に作りたいのは、その状態なんですよね。世界は誰かの仕事で出来ているので、その仕事が良くなったら、世界はもう少しだけ良くなると思っています。

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